読売新聞にドナルド・キーンさんのクロニクルが連載されています。
三島由紀夫さんとのことについて、自決された衝撃と共に、その後のまわりの関係者の言動に驚かされたと書き記されていました。
それほど親しかったとも思えない人が「心の友」であったと書いたりインタビューに答えたり、それを見聞きしていて自分には三島については何も語れないと思った、とうようなことが書いてありました。
僕も、まったく同じことを感じました。
代々木の先生の御自宅稽古場には、先生の稽古される部屋の横に小さな部屋があります。
仏間で、先生のお母様のお部屋だったところ。
代稽古で僕も使わせていただいたり、何か話をしたりするのに使っていました。
ある時先生が、
「徳丸君、ちょっと聞きたいことがあるんだけど。」
先生のこのフレーズ、何回かあったのですが。
「はい。なんでしょう?」
と、かならずその仏間へ。
その時の話の内容はもちろん書けません。
先生はあること(人)に、
「腹が立って腹が立って。。。」と心底立腹されている様子でした。
あんな先生をその時以外見たことはありません。
「この話は忘れてよ。」と先生はおっしゃいましたが、忘れることは出来ません。
先生の「人間」の一面を垣間見ましたし、それを見せまいとして努力されている姿に「孤独」も感じました。
人間の出来ていない僕は、先生にそんな思いをさせた人物、いまだに許すことが出来ずにいます。